ずれないメガネ研究会


軽いのにずれやすい???


◎ずれないメガネにするための
      注意点◎

最近、特殊な樹脂などでできた、
非常に軽いメガネについて、
「こんなに軽いので、
ずれません」というふうな
宣伝がなされているのを
見かけますが、
単に「軽いからずれない」
というのは、
非常に舌足らずな説明だと
私は思いますし、
事実、たいへん軽いけれど、
ずれやすいメガネフレームは
いろいろあります。
そういうものをここでご紹介しておきます。


腕による横方向の保持力が不足
腕に弾力性があるのはよいのですが、
その腕が細すぎたり薄すぎたりして、
横方向に腕が頭を抱く力が非常に
少ない場合には、
「軽いけれど、ずれやすいメガネ」
となります。
この場合、その腕の形
(上から見た丸み)を
変えられなかったりして、
腕の保持力を調整できない
というものであれば、最悪です。


腕が耳よりも前を
   押さえている場合

腕が、耳よりも前のもみあげ部や
こめかみ部を押さえている
場合には、
そのように押さえることにより
メガネ全体を前に押し出す力が
働いて、そのメガネ全体が
たとえ非常に
軽いものであっても、
やはり「軽いのにずれやすい
メガネ」となります。
この場合、腕をその根元から
広げて、腕の丸みをつけて
腕が耳よりも前を抑えないようにできるものであって、
フィッターがそれをする
意思と能力を
持ってればよいのですが、
そうでなくて、
根元から広げることが
できない作りになっているとか、
広げることができるもので
あっても、
フィッターにそれについての
知識も技術もない、
というのであれば、
どうにもならずに、
窮屈でしかもずれやすい・・・・
ままのメガネとなります。
少し顔幅の広い人で、
腕が耳よりも
前を抑えているために、
きついのになんとなく
落ち着きが悪い・・・・
そんなメガネを我慢して
掛けている人は、
けっこう多いものです。


腕の屈折点の位置が
     合っていない場合

頭を両横から腕で
抱くのではなく、
腕の先を耳にひっかける
ことにより、
「ずれないメガネ」と
しているものがあります。
その場合、腕先の屈折点の
位置が、適切な位置よりも
やや後に来ると、
なんとなく、しっくり来ない、
少し前にずれているような感触の
メガネとなることがあります。


本当にずれないメガネ、
ずり落ちにくいメガネというのは


腕先に足すシリコンゴムの
パーツや、メガネバンドをしない
あるいは、鼻に当たる部分への
パーツの貼り付けなどを
つけないという前提で言えば、
次の条件をすべて満たす場合
に限るのです。
メガネ全体の重さがあまり
重くないこと。
いくら重くても30g以内、
できれば20g以内で
あるのが望ましいです。
ただし、全重量で10gより
軽いというような
極端な軽さは、
ずれないメガネとなるための
必要条件ではありません、


フレームの素材が重要
腕にある程度の弾力性が
あるものがよいですが、
それがあまりなくても、
フィッティング技術に卓越した人が
フィッティングするのなら、
OKです。
ただし、実際のところ、
そういうフィッターは少ないので、
腕にはそこそこの横方向での
弾力性がある方がよいです。
そして弾力性だけでなく
可塑性も少しは必要です。
そうでないと、腕の丸みを
調整できませんから。


鼻に当たる部分が広すぎないこと


個々の装用者の顔に合う
      大きさであること


フィッターによる適切な
フィッティングがなされること

まれに、フィッティングなしでも
良い具合でかけられることも
あるようですが、
それは、あくまでもたまたま
そうなっただけのことであり、
誰にでもノンフィッティングで
快適にかけられるという
メガネフレームは存在し得ない
と私は言いたいです。
たとえば、
通販で買ったメガネを
そのままで気持ちよく
かけられたとしても、
それは単にラッキーだったと
いうだけのことであり、
次にまた通販でメガネを
買ったときには、
非常に掛けごこちの
悪いものが来て、
それを近隣のメガネ屋で
フィッティングしてもらっても
どうにも改善しない、
ということは
当然あり得るわけです。
とにかく、
メガネは重いものよりも、
軽いものの方が
その他の条件が同じであれば、
ずれにくいのですが、
「軽いからずれない、
ずれにくい」というような
単純な判断(主張、説)は
間違いであると言えます。